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実は身近な心理学3『集団思考の罠』

少人数の集団で意志決定をする場合に、集団であるからこそ最適な決定ができなかったり、間違いを犯したりすることに着目した概念です。

アメリカの心理学者アーヴィング・ジャニス(Irving Janis)によって社会現象の分析に適用されたものです。

これを「集団思考の罠」や「集団浅慮」と言います。

本来、1人で考えるより、数人で知恵を出し合った方が良い結果が出るなずなんですが・・・

まとまりが強い内部の集団で、意見の一致を重視するあまり、取り得る可能性があるすべての行動の現実的な評価を無視する思考様式をとってしまいがちだ。という社会心理学理論です。

 有名な例は、1961年の米国ケネディ政権によるキューバ・ピッグス湾侵攻に関する決定プロセスです。

・強いまとまりの出来た、高い意志決定者の集まり

・外部の影響から隔離されている集まり

・有能な指導的なリーダーがいる

こんな場合、

「集団極性化」といって、集団全体がより極端な方向へ導かれてしまう現象です。

より安全な方向へ変化することを「コーシャスシフト(Cautious Shift)」と言い、

より危険な方向へ変化することを「リスキーシフト(Risky Shift)」と言いますが、

この集団極性化がさらに進行すると、有能な教養人たちでさえ、決定の質が落ち、とんでもない誤ちを犯すことがあるのです。

考えられるあらゆる可能性を比較検討しなければならないはずの会議なのに、ある特定の意見が支持を集め、疑問を感じつつも異論を述べることができないような雰囲気。それが「集団思考」なのです。

大多数が同じような意見の場合、違う意見なのにそれが一人や少数の場合、「まあ別にいいか」となるわけです。皆がそう思っているのであれば問題ないだろうという、思考停止状態に陥って、更に 現実的に無理なんじゃない?と思える結論になったとしても、皆がそれで行こう!というのだから、やっぱり正しい案だよなっと、意見が一致しているために自分たちの都合の良い方向へ物事を捉えてしまいます。

「だって私達仲いいし、私達が負けるわけないし。私達の方が正しいしね。」(自己弁護・不敗幻想)

「なんかそういう流れだし、今違うこと言っていっちゃまずいよなぁ。」(自己検閲)

「みんな同意だよな?空気読めないやついる?オーケー。」(均一性圧力・自薦の用心棒)

「ほらっ!全員賛成だね。」(全会一致の幻想)

こうならない為に、和を乱しても反対意見を言う人がいるという状況をあえて作れと言われています。

会議やミーティングで必要なものは「反対意見」なんですね。

反対意見があることによって、問題点に対する解決策や意欲の向上が見られるようになることが分かっています。 例え何でも反対君みたいな人が入っていても、

全員の意見が一致しているケースよりも議論に対する自信や意欲を高めることができます。 会社の会議で、上職者は意見を言うな。というのはこう言う訳なんですね。 友達同士で何か決まる時も、多数派の意見に対して反対意見を言える環境のある集団は、そうでないものより健全です。

会社の議論では、「反対意見はありませんか?」とあえて反対意見を促すことも重要ですね。

皆に追随ちゃんや、イエスマンよりも、反対意見や対案をいう人を評価する雰囲気がある会社や組織は成長します。


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