実は身近な心理学7『見ないで!と言われると』
あなたは日常生活の中で既にこの効果に相当する現象を 何回も目の当たりにしているはずです。 日常的に見かける現象なので かなり理解しやすいと思いますから、 例とともに解説をしていきますね。
●カリギュラ効果とは?
これは実に簡単な心理学的な現象で、 禁止されると余計にやってみたくなる、というもの。 人間は、制限や禁止に対してストレスを感じ、
それを改善しようと試行錯誤する心理が働きます。
「絶対にやっちゃダメだからね!」
「絶対に見ないでね!」 と言われるとやってみたくなり、見たくなるあの感じです(笑) これは子供の話ではなく、
あまのじゃくな性格などでもなく、 誰しもが持つ、人間の本質的な部分にある現象です。
例を出してみると、 ギリシャ神話「パンドラの箱」や
日本の昔話の「ツルの恩返し」とかわかりやすいですね。 「絶対にこの部屋を覗かないでくださいね…?」 こんな事を言われると余計に覗きたくなるわけで、 登場人物のおじいさんと一緒に、読者も
「ア~ダメって言われたのに~」と思いながら、
きっと覗いてしまっているわけです。
そもそも「のぞかないで」なんて言われなければ、 部屋を覗こうとも思わなかったのに。
恋愛では、遠距離恋愛や、親に反対された結婚など 障害があるほど燃え上がるのなども、
両親に結婚を反対されることにより「禁止」されるわけですから、 その分だけ禁止を打破したくなるカリギュラ効果だと考えてよいですね。
●カリギュラ効果を応用したマーケティング
マーケティング戦略上、そうした心理を逆に利用して、制限や禁止をすることで、
強い関心を引くために多用されています。
「心臓の悪い人は絶対に見ないでください」というホラー映画 次のシーンを見せずに止めて期待を持たせるCM
大した中身ではないのに、袋とじを見たくて買ってしまったなど
これも本来興味の無かった事に、
注意と関心を集める手法です。
ネットビジネスでは最近無料オファーが流行っていますが、 ランディングページで興味を引きつけ、 その先の閲覧のためにメルマガ登録を促すことがありますね。 続きを読むことが禁止されているわけですから、 本当なら必要ない情報でも欲しくなってしまうのです。
カリギュラ効果のポイントは制限や禁止にあるわけですから、
「頼んでも簡単にはいかない」ということの裏返しとして捉えられる。 また、「見ることを制限・禁止されている」ということは、
「見せてと頼んでも断られる」ということを暗に示すことになります。
同様に「買うことを制限・禁止されている」ということは 「買いたいと頼んでも断られる」ということになり、 「持っている人は特別な存在である」という希少性を暗に示唆することができるので、更にそこに価値が発生すると考えられます。
顧客の興味関心を引くために、 あえて「見ないで下さい」「買わないで下さい」というプロモーションが行われる背景は、このカリギュラ効果を期待した戦略を応用してるんですね。
今日もどこかで、カリギュラ効果に乗ってしまっている人も、
乗せてる人も、きっとたくさんいますね!
あなたは、どちらですか?